屋上緑化・屋上庭園

屋上庭園

屋上庭園

ヒートアイランド対策等で注目されている屋上緑化の事例は殆どが芝を利用したガーデニング風なので、 今回本社ビル新築の際に和風の庭園を作ることになりました。

施工前全景



荷重に関して

屋上緑化の最大の難点はその土壌の重量なのですが、今回は屋上緑化を行うことを前提に 最大荷重の強度計算を事前に行って当社のビルを建築しています。 土は通常の土壌ではかなり重量が増えてしまうので、軽量の人口土壌を使用します。

植物の根の対策について

また、緑化の施工時には問題はありませんが、植物の根はかなり侵食する力が強く 通常の防水の上にただ土を盛っただけ根を防ぎきれず防水層を貫通してしまう場合があります。 よって防水工事に加えて根による侵食を防ぐ対策を行わなければなりません。 防水層の上に耐根層を設ける工法もあるのですが、今回はウレタン+FRP複合防水工法で 強度と耐久性と耐根性能を確保しています。

防風対策について

屋上は地上よりも風が強く吹いてきます。そのまま庭を造っただけでは木が倒れたり 砂や枯葉が周囲の家屋に飛散してしまうので風除けも兼ねて外周を擬似竹のフェンスで覆いました。

擬似竹のフェンスなので庭園の外観を損ねず、樹脂製なので対候性に優れています。 また、軽量の人口土壌の中には風で飛んでしまうものもあるようですが 風の影響を受けにくい材料を使用して飛散を防いでいます。

排水について

屋上は日差しが地上より厳しくなるので、植物を育てる際には通常よりも水遣りに気をつけなければなりません。 また、地面と違い浸透していくわけではないので、排水がうまくいかなければ水が溜まり根腐れを起こしてしまいます。 緑化を行なった後は排水用のドレンに土石や枯葉等が詰まって水が流れなくなり 雨が降るとプールのようになってしまうといったトラブルも多いようです。

フェンスの立っている壁の上端から土までは10センチ程度は下げてあるのですが、 排水溝が詰まってしまい土砂が屋外に出てしまった場合を想定し 設置場所は外壁のパラペットの部分ではなく一段へこませた部分に壁を新しく立てています。
土壌の下には水捌けのいい素材を敷き詰めて排水を行ないやすくし、 排水用の穴をフェンスの壁の角に空けておき、水だけを通す素材を置いて流出を防ぎます。



排水ドレンや排水用の穴が掃除できるメンテナンスの通路分は幅を確保しました。 屋上庭園を造ってから3年ほどたちますが、しっかりフェンスで覆ったせいか 落ち葉や土が詰まるほど流れ込んでくることは今の所ありませんでした。



庭園の真ん中には川を作っています。 川も防水加工を行っているので川から染み出ないようになっており、 淀んでしまうのを防ぐためにポンプで水を循環させています。

施工後全景(現在)




現在の状況です。

屋上緑化の補助金に関して

屋上緑化は温暖化抑制の観点から補助金を出している市町村も多いようです。
当社の屋上の場合は申請して工事を行い、市から70u分70万円の助成金が出ました。
屋上緑化助成(川崎市)
助成金交付決定通知書

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